流れ星は一瞬。「見えた!」と思ってからカメラを向けても、絶対に間に合いません。でも安心してください。流星撮影の正解は反射神経ではなく、「カメラを固定して、空の広い範囲を、ひたすら撮り続ける」という待ち伏せ作戦です。この方法なら、スマホでも明るい流星を捉えられる可能性がありますし、一眼カメラなら成功率はぐっと上がります。
この記事では、スマホと一眼カメラそれぞれの具体的な撮り方を、2026年のペルセウス座流星群(新月の当たり年)を想定して解説します。
流星撮影の基本的な考え方
流れ星がいつ・どこに現れるかは誰にもわかりません。だから狙って撮るのではなく、広い空にカメラを向けて連続撮影し、そのどれかに流星が写り込むのを待つのが基本戦略です。
- 1枚あたり数秒〜数十秒の長時間露光で撮る(流星の光跡を線として写すため)
- それを数十分〜数時間、自動で撮り続ける(数百枚のうち数枚に写れば成功)
- カメラは絶対に固定する(手持ちでは星が全部ブレます)
この3点は、スマホでも一眼でも共通です。
スマホで撮る方法
最近のスマホのナイトモードは大きく進化していて、明るい流星や火球クラスなら写るチャンスがあります。手順は次の通りです。
- 固定する: スマホ用三脚がベスト。なければ、レジャーシートの上に置いて空に向ける、上着で角度をつけて固定するなど、とにかく動かさないこと
- ナイトモードで露光時間を最長に: iPhoneもAndroidも、固定を検知すると露光時間を延ばせます(機種により10〜30秒)。手動で最長に設定しましょう
- 繰り返し撮る: シャッターを押しては待つ、を繰り返します。長時間露光や連続撮影(インターバル撮影)に対応したカメラアプリを使うと、放置で撮り続けられて効率的です
- 画面の明るさは最低に: 自分と周囲の観察者の目を守るためです
スマホの限界も知っておきましょう。淡い流星はセンサーの感度的に写りにくく、写るのは主に明るい流星です。「1本写ったら大成功」くらいの気持ちで、観察のついでに仕掛けておくのがおすすめです。
一眼・ミラーレスカメラで撮る方法
カメラがあるなら、流星撮影の成功率は一気に上がります。
必要な機材
- カメラ: 一眼レフまたはミラーレス(マニュアル設定ができるもの)
- レンズ: できるだけ広角(フルサイズ換算24mm以下が理想)で、F2.8以下の明るいもの。キットズームの広角端でも撮れます
- 三脚: 必須。風で揺れない、しっかりしたもの
- インターバルタイマー: カメラ内蔵機能でOK。なければレリーズやスマホ連携アプリで
おすすめの設定(まずはここから)
- 撮影モード: マニュアル(M)
- 絞り: 開放(F2.8のレンズならF2.8)
- ISO感度: 1600〜3200
- シャッター速度: 10〜20秒
- 記録形式: RAW(あとで明るさを調整しやすい)
- 手ブレ補正: OFF(三脚使用時)
この設定で試し撮りし、空の明るさに合わせてISOとシャッター速度を調整します。市街地寄りなら空が白っぽくなるのでISOを下げるか秒数を短く、暗い場所なら思い切って上げる、が調整の方向です。
ピント合わせが最大の関門
夜はオートフォーカスが効きません。マニュアルフォーカスに切り替え、ライブビューでいちばん明るい星を拡大表示し、星が最も小さな点になる位置に合わせます。一度合わせたらピントリングに触らないこと。テープで固定するのも定番のワザです。
あとはインターバル撮影で放置
構図とピントが決まったら、インターバル撮影(例: 15秒露光を間隔最短で連続)をスタートして、あとはカメラに任せて自分は肉眼で流星観察を楽しみましょう。1時間で200枚前後。そのうち数枚に流星が写っていれば大成功です。
成功率を上げる3つのコツ
構図は「放射点を画面の端」に。 流星は放射点(ペルセウス座流星群なら北東の空)から離れた場所で長く流れます。放射点を画面の隅に置くか、少し外した方向に向けると、長く流れる派手な流星が入りやすくなります。地上の山や木のシルエットを画面の下に入れると、写真としての完成度も上がります。
結露対策を忘れずに。 夏の夜でも、レンズは夜露で曇ります。長時間撮影ではレンズヒーターが定番ですが、使い捨てカイロをレンズに輪ゴムで巻くだけでも効果があります。曇りに気づかず数時間分が全滅、は流星撮影あるあるです。
バッテリーと空き容量は倍の備えを。 長時間露光は電池を激しく消耗します。予備バッテリー(スマホならモバイルバッテリー)と、余裕のあるメモリーカードを用意しましょう。
よくある質問
何も写りません。原因は?
まず疑うのはピント(星が点でなくにじんだ円になっていないか)、次に露出不足(ISOを1段上げる、秒数を延ばす)です。それでも流星が写らないのは、単純に流星がフレームに入っていないだけのことも多いです。撮影枚数を増やして確率を上げましょう。
撮った写真はそのままでいい?
RAWで撮っておけば、あとから明るさやホワイトバランスを調整できます。流星が写った複数枚を重ねる「比較明合成」という定番の仕上げ方もありますが、まずは1枚に流星を写すことから始めれば十分です。
まとめ
- 流星撮影は固定+長時間露光+数を撮るの待ち伏せ作戦
- スマホはナイトモード最長+固定で明るい流星を狙う
- 一眼は広角・F開放・ISO1600〜3200・10〜20秒から。ピントはライブビューで星に合わせる
- 放射点を画面の端に、結露対策とバッテリーの備えを忘れずに
2026年のペルセウス座流星群は新月の当たり年で、撮影条件も申し分ありません。見頃の日時はペルセウス座流星群2026の見頃ガイド、撮影に向く暗い場所は関東のおすすめ観察スポット7選をどうぞ。
なお、流星ではなく星雲や銀河を撮ってみたくなったら、撮影特化の「スマート望遠鏡」という選択肢もあります。初心者向け天体望遠鏡おすすめ5選で紹介しているので、次のステップの参考にしてください。
