スマート望遠鏡選びでSeestarと並んで名前が挙がるのが、DWARFLAB社のDWARF 3です。最大の個性は、約1.3kgという最軽量クラスのボディに「天体も、鳥も、風景も」を詰め込んだ欲張りな設計。天体専用機とは少し違う思想で作られた1台です。
先に結論をお伝えすると、DWARF 3は「キャンプや旅に星を持ち出したい人、天体以外too撮りたい人の最有力」です。実売8万円前後(執筆時点)とSeestar S30より少し高い理由も、弱点も含めて、仕様と公開情報に基づいて整理します。
DWARF 3とは|”多才な最軽量”
DWARF 3は、本体約1.3kg・弁当箱ほどのサイズ(約222×142×65mm)に、次を詰め込んだスマート望遠鏡です。
- デュアルレンズ: 望遠(35mm・センサーIMX678)+広角(IMX307)の2眼構成。天体のクローズアップと星空風景を1台でカバー
- 3種類の内蔵フィルター: 通常撮影用(VIS)/天体用(Astro)/都市の光害を強力にカットするデュアルバンドの3枚を内蔵し、アプリから切替
- バッテリー内蔵(10,000mAh): モバイルバッテリー並みの容量を本体に内蔵。一晩の撮影に対応
- IP54の防塵防滴: 夜露や急な小雨、砂ぼこりに強い、アウトドア前提の作り
- 128GBストレージ内蔵、4K動画、モザイク撮影(広い天体を分割撮影して合成)、AIノイズ除去、アプリは日本語対応
スペックの並びから伝わる通り、「天体撮影専用機」というより「天体が得意な超小型自動撮影マシン」。昼は野鳥や運動会、夜は星雲——という使い方が最初から想定されています。
DWARF 3でできること
天体側の主戦場はSeestarと同じく星雲・銀河・星団のライブスタック撮影です。アプリから天体を選べば自動導入・追尾し、時間とともに天体が浮かび上がります。都市部ではデュアルバンドフィルターが効き、ベランダからの星雲撮影も現実的です。EQモード(赤道儀的な追尾)による長時間撮影や、月・太陽(付属フィルター使用)にも対応します。
そして昼間。望遠レンズと自動追尾を活かした野鳥・野生動物の撮影、パノラマ、タイムラプスまでこなします。「天体望遠鏡は年に数回しか出番がない」という定番の後悔を、この汎用性が解消してくれます。
正直に書く、DWARF 3の弱点
①在庫が不安定です。 人気に生産が追いつかない時期があり、執筆時点でも正規代理店で品切れが発生しています。「見つけたときが買いどき」の機種で、急いでいない人は入荷通知の登録をおすすめします。
②惑星の拡大観察は苦手。 これはスマート望遠鏡全ジャンル共通の性質です。土星の環をくっきり見たいなら光学式望遠鏡を(土星の環が見える望遠鏡と倍率)。
③国内のユーザー情報はSeestarより少なめ。 競合記事やユーザー作例の蓄積では、シェアの大きいSeestarに一日の長があります。困ったときの検索での解決しやすさを重視するなら、この差は考慮に値します(裏を返せば、DWARF 3の作例はSNSで目立ちやすいということでもあります)。
Seestar S30との違い|どちらを選ぶ?
最も比較されるSeestar S30との違いを整理します。
| DWARF 3 | Seestar S30 | |
|---|---|---|
| 実売価格(執筆時点) | 8万円前後 | 7.5万円前後 |
| 重さ | 約1.3kg | 約1.7kg |
| レンズ | 望遠35mm+広角 | 望遠+広角 |
| 内蔵フィルター | 3種切替(デュアルバンド含む) | 光害フィルター内蔵 |
| 防塵防滴 | IP54 | 生活防水相当 |
| 昼間の用途 | 野鳥・風景まで積極対応 | 対応するが天体主眼 |
| 国内情報量 | 少なめ | 多い(入門定番) |
選び分けはこうです。「天体入門の王道・情報の多さ・少しでも安く」ならSeestar S30(Seestar S30レビュー)。「最軽量・アウトドア耐性・昼も使う多用途」ならDWARF 3。性能の優劣というより、道具としての性格の違いで選ぶ2台です。4機種全体の比較はスマート望遠鏡おすすめ比較2026でどうぞ。
こんな人に向いています
- キャンプ・車中泊・旅行に星を持ち出したい人: 1.3kg+防塵防滴+内蔵バッテリーは、この用途で他機種を圧倒します
- 野鳥や自然観察too趣味の人: 1台で二役は、防湿庫の場所的にも予算的にも合理的です
- 人と違う機材を使いこなしたい人: 設定の自由度が高く、慣れるほどマニュアル調整で追い込めます
アウトドアと星を1台で楽しみたい人に向く1台です。
よくある質問
購入はどこでできますか?
国内正規代理店(星見屋など)とAmazonが主なルートです。人気機種のため非正規の高額転売も見られますが、保証とサポートの面から正規ルートでの購入を強くおすすめします。
初心者でも使いこなせますか?
基本操作(天体を選んで自動撮影)は初心者でも問題ありません。アプリも日本語対応です。一方、細かいマニュアル設定は機能が豊富なぶん奥が深いので、「最初はおまかせ、慣れたら調整」と段階的に付き合うのがおすすめです。
暗い場所まで行く必要はありますか?
デュアルバンドフィルターのおかげで市街地でも星雲撮影は可能ですが、空が暗いほど仕上がりは良くなります。せっかく軽量なので、キャンプついでに暗い空へ(関東で天の川が見える場所)連れ出すのがこの機種の真骨頂です。
まとめ
- DWARF 3は約1.3kg最軽量クラス+IP54+バッテリー内蔵の、アウトドア志向スマート望遠鏡
- 3種の内蔵フィルターで都市部の星雲撮影にも強い。昼は野鳥・風景まで1台でこなす
- 弱点は在庫の不安定さと、Seestarに比べた国内情報量の少なさ
- 天体入門の王道はS30、軽さと多用途ならDWARF 3。道具の性格で選ぶ
※本記事はメーカー公表仕様と公開情報に基づく解説です。価格・在庫状況は執筆時点のもので、変動する場合があります。
